データSIMも本人確認必須化 法律で規制へ

総務省は、2026年1月26日(月)に「ICTサービスの利用環境の整備に関する研究会(第9回)」を開催しました。


総務省|ICTサービスの利用環境の整備に関する研究会|ICTサービスの利用環境の整備に関する研究会(第9回)
携帯電話の不正利用を防ぐために日本政府が検討している、本人確認ルールの厳格化や法改正の方向性についてです。

特殊詐欺や闇バイトへの対策として、現在は音声通話用が中心である本人確認の義務を、悪用が増えているデータ通信専用SIMにも広げる方針が示されています。

個人が不自然に大量の回線を契約することを制限する上限設定や、法人契約時の在籍確認の強化についても議論されています。
さらに、追加回線の契約時に多要素認証を求めるなど、技術的な対策を通じてセキュリティレベルを引き上げる計画が盛り込まれています。

データSIMの本人確認義務化

仮にデータSIMの本人確認義務化となった場合ですが、
これまで音声通話機能付きSIM(音声SIM)に限定されていた公的証明書等による本人確認義務が、データ通信専用のSIMにも拡大されるようになるかのうせでしょう。

具体的には、以下の内容が義務化または変更される見通しです。

契約時の手続きと管理の厳格化

本人確認の義務付け

詐欺などの犯罪にデータ通信が不正利用されている実態を踏まえ、データSIMの契約締結時や譲渡時にも、公的証明書などによる本人確認が必須となります。

記録の保存

事業者は本人確認の記録を作成し、契約期間中および終了後から3年間保存しなければなりません。

多回線契約の制限

特定の個人が「通常想定されない回線数」を申し込む場合、事業者が契約を拒否できる規定が設けられます。

外国人利用者の確認ルール整備

パスポート等の活用

短期滞在の外国人がデータSIMを利用する場合を想定し、パスポート等による本人確認に関する規定が整備されます。

これらの変更は、携帯電話不正利用防止法の改正(法制化)を通じて実施される方向で検討が進められています。

海外の通信事業者が提供するローミングサービスには言及がない

今回の資料では、
海外の通信事業者が提供するローミングサービス」自体に日本の法律がどこまで及ぶのかについて、明確な言及はありませんでした。

一般に、日本の法律は国内の通信事業者を主な規制対象としますが、
研究会全体の方向性としては、「日本国内で犯罪インフラとして悪用される通信の遮断」を目的に、データ通信全体の管理強化を志向していることが読み取れます。

日本への旅行者向けに通信を提供している日本企業だけが痛い目にあう!?

現時点では、海外事業者が提供するローミング型eSIM(ホームルーティング方式)への直接的な規制は想定されていません。
そのため、日本国外の事業者から購入するeSIMサービスの多くは、今回の規制の対象外となる可能性が高いと考えられます。

一方で、日本国内で訪日外国人向けに通信サービスを提供している事業者だけが過度に規制にさらされるということは心配です。

訪日外国人が日本滞在中にSIMカードやeSIMを購入するケースは旅行者が増えていくため年々増加していますが、
・対面販売のみへの限定
・販売チャネルの大幅な制限
といった方向に規制は進まないようにしてもらいたいものです。

問題は「購入者」と「実際の利用者が異なるところではないのか?

問題となっているのは、「購入者」と「実際の利用者」が異なるケースが大量回線契約で発生している点だとおもいます。

購入時に規制をかけるのではなく、eSIMのアクティベーション時に本人確認を行う仕組みなど、
実態に即した制度設計が望ましいのではないでしょうか。

IOTとかもあるので、すべてのデバイスのデータ通信も対象にしたら、大変なことになりそうですけど。

台湾では2023年に規制は緩和した

参考として、台湾の事例も注目されます。
台湾では、2023年5月以降の制度緩和により、旅行者向けの短期間プリペイドデータSIM(物理SIM・eSIM)については、実名認証が義務付けられていません。
治安対策と利便性のバランスを取るため、
国ごとに異なるアプローチが取られている点は、日本の制度設計を考える上でも示唆に富んでいます。

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